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blurs. / No.22 市ノ川 倫子
¥2,200
重ねることが市ノ川の作品の本質。 重ねることで作品は質量を増していく。 それが、今回のシリーズ「blurs.」では、重ねているはずなのに軽やかだ。 今までの作品たちが全て昇華され、繊細な結晶だけが残ったような印象を受けた。 ---------------------------------------------- 生きることは 一瞬一瞬の 積み重ね 嬉しい 楽しい 苦しい 悲しい 様々な想いを抱えるごとに 浮かび上がるもの 削ぎ落され消えゆくもの それぞれの輪郭が 霞んで 滲んで 溶け合っていく 一枚一枚が 偶然に重なり合って生み出す 最も美しい瞬間を 留めおきたくて シャッターを切って残すのです A5変形(14.8×14.8cm)32ページ 2200円
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JARDIN / No.22 市ノ川 倫子
¥2,500
そこにあるのは、市ノ川氏自身の内なる庭で育てられてきた作品たち。 写真なのだが、写真を飛び越えた何か。 積み重ねられた層の中には、物質的な美しさを二次元でとらえた複雑な要素が絡み合っている。 改めて、写真表現について問いかけてくる作品。 ---------------------------------------------- 言葉は 失う 形は 変わる 意味は 消える 世界は 閉じる なくなったものを ひとつひとつ拾い集めて 私は私の庭で 何を育てる ---------------------------------------------- 今作「JARDIN」では、今まで発表してきた多重露出の作品をベースに、写真にペインティングやコラージュを施し偶発性を掛け合わせて作ることで新しい価値を生み出すフォト・ブリコラージュの手法によって“内なる世界=自分の庭“を表現しました。 自分の身近にある素材を使用し、手を動かして作業することによって生まれた作品を、再び写真に撮ることで二次元に落とし込む行為を繰り返し、何重にも積み重ねられたレイヤーは記憶の積層でもあり、時間の積層でもあります。 出来上がった作品には自身がこれまで過ごしてきた経緯が映し出されていて、それは自分が描いてきた心の中の庭そのものでした。 現実を写す『写真』を土として、深く生み出されていく一つの庭から、美しさと共に写真表現の新しい可能性を感じていただければと思います。 21×21cm、32p
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しのぶれど / No.22 市ノ川 倫子
¥3,000
かつて平安末期から鎌倉初期にかけて活躍した歌人たちは、このように美しい歌を残していたのかと、そしてそのことを、写真集から改めて知るということに、新鮮な感動を覚えた。 写真と言葉は、慣れ合いすぎてはいけない。けれども、ときには言葉が補って作品となる写真もある。写真と言葉のベストな関係は、その時その時で変わっていく。 現代の日本語だとストレートに説明しすぎる表現が、言下にさまざまな意味を持つ和歌によって、ふんわりと中和されている。市ノ川氏の作品は、その主義主張を完璧に訴えてくるのではなく、どこか余韻が残されている。そこに和歌がうまくはまっている。 「恋が、私から零れ落ちています。」 なんとロマンティックで素敵な表現だろうか。 市ノ川氏の言葉「隠そうとしても隠し切れない、にじみ出す美しさを秘する思い」そのものだ。 ------------------------------- 『しのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで 隠そうとしても 視線に、佇まいに、気配に すべてが物語っているように 誰かに気づかれる 恋が、私から 零れ落ちています。 百人一首 第四十番 平兼盛』 和歌の持つ言葉の曖昧さ 一つのフレーズにいくつもの意味を重ね合わせて 表現するところに 自身の作品との共通点を感じ 日本の古典文学である百人一首のうち 第四十番 平 兼盛の歌をテーマに表現した一冊 A4版縦、42ページ 3000円
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BREATH / No.22 市ノ川 倫子
¥3,000
懐かしさを覚える美しい風景を重ね合わせて、夢で見たような世界を作り上げる。 ステートメントにもあるように、市ノ川氏の作品は、筆で少しずつ塗り重ねてできあがった絵画のような厚みがある。一言で言えば多重露光なのだが、一見巧妙な重なり具合で、多重露光と気づかされない1枚もある。 彼女の頭の中には、どの写真とどの写真を重ね合わせれば、どんな世界が生まれるのか、レシピがいくつもあるのだろう。 まるで、異なる絵の具同士を混ぜ合わせるとどんな色が生まれるか、既に知っている画家のように。 画家の目と、写真家の目を両方併せ持つ市ノ川氏ならではの作品集だ。 -------------------------- 『I can hear in this world breath What is played beautiful harmony melody What comes to mind that distant day the scenery I saw in my dream BREATH 聴こえるのは この世界の 息吹 奏でられるのは 美しい調和の 旋律 浮かび上がるのは 遠いあの日 夢で見た景色』 写真を重ね合わせて遠い昔に 見た夢の中の景色のような どこかにありそうでどこにもない場所を 描くように撮り続けている 作者の代表作品を集めた初の写真集 A5版横、60ページ 3000円
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PRESAGE / No.22 市ノ川 倫子
¥1,500
SOLD OUT
「浮遊感」 まず思い浮かんだのはなぜかこの言葉だった。 フィルムカメラで丁寧に切り取られた1枚1枚の被写体は、 草木だったり水面だったり地面だったりと、決して特別なものではない。 けれども目にするとどこか心がざわつく。 草木が作り出す影、ふとした角度で見える光線、 そんなものたちに「PRESAGE(=予感)」を市ノ川氏が感じ取り、 それを作品として表現しているのだと思う。 被写体をそのまま切り取るのではなく、 彼女の心のフィルターを通して見えている浮遊世界を覗いているような1冊。 ------------------------------- 何気ない日々のように見えて 空気の中に予感は充ち満ちている そこにあるものが少しずつ少しずつ 形を変えて明日を作っていくように PRESAGE 日々の欠片 この目に映るすべて それは未来への兆し A5版縦、48ページ 1500円