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Iceland / No.23 藤川 すみれ
¥1,300
どこまでも広がる荒涼とした大地。 温泉からたちこめる水蒸気。 ごつごつとした岩。へばりつくように咲く草花。 アイスランドと聞いて、浮かんでくるのはそんなイメージだ。 まぎれもなく地球上の国なのだが、どこか遠い惑星のような、そんな場所。 このzineの前半はまさしくアイスランドらしい写真が続くが、後半になると少し印象が変わる。 人々が暮らす家の屋根、窓から差し込む光、花びんに生けられた花。 最果ての異国の地にも、そこに暮らす人々がいる。 圧倒的な自然と、そこに暮らす人々。 どちらの気配も感じられる一冊だ。 ---------------------------------------------------------- 『白い、白い日』 私はアイスランドを旅しながら、昔読んだ詩集のタイトルを思い出していた。 冬、車窓からの景色は白い雪景色がどこまでもつづいていた。冬の日照時間はとても短い。夕暮れのような朝焼けを見て朝が夜に変わってしまった!と驚いた。 二度目に訪れた時は夏で、手袋がしたいほど寒かったけど至る所で見つける光の当たった花たちがとても綺麗だったのを覚えている。 私はこの国の壮大な滝や空や氷、温泉や霧や蒸気といった自然のものに完璧に圧倒され、すっぽりとのみこまれた。 人間もやがては自然に還っていくだろうことを考えながら、不思議と美しさや孤独を感じた。 A5版縦、48ページ 1300円
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Hong Kong / No.23 藤川 すみれ
¥2,000
私は香港を訪れたことはない。けれども、私の中の、まさにこれこそが香港という街のイメージそのものが、この本に凝縮されていると言っても過言ではない。 ページをめくるごとに、行きかう人々が、無造作に並べられた食べ物が、車とオートバイが、混沌とした住居が、香港という街のエネルギーを内包して目に飛び込んでくる。 藤川氏が記しているように、香港は東洋と西洋、富と貧、過去と現在など様々な要素を取り込んだ、生命力の強い街なのだなと思う。 ---------------------------------------------------------- 香港を旅してもう何度目になるだろう。 蒸した空気が肌にまとわりつく。街に出ると、信号機のカンカンとした音が鳴り響き、歩く人たちのスピードの速さにたじろぐ。私にとって香港は東洋と西洋、富と貧、過去と現在など様々な要素が混在した不思議な場所だった。 --- 中略 --- 私は偶然、香港の街と出会い、その街の生命力に魅了された。今まで私は彼らのエネルギーの源はどこから来るのか、知りたくて撮り続けてきたような気がする。 この先もきっと撮りに行くだろう。その源が尽きることのないように。 A5版縦、144ページ 2000円