-
壺中日月長 / No.29 Mayumi Nakamura
¥1,200
SOLD OUT
「壺中日月長」という言葉を、まず調べた。 「こちゅうにちげつながし」と読むそうで、「壺中」というのは、壺の中の世界のことで、ごく限られた、小さな世界を意味する。 そして「日月長」とは、非常に穏やかな、のんびりとした時間がいつまでも流れているということで、この句は、壺のように小さな世界でも、平和に日が送れるという意味だそうだ。 -ぼんやりと過ぎる時間も 足早に過ぎる時間も シャッターを切った一瞬で止まってしまう いつか聞いたクロノスタシスというのに どことなく似ている気がする。ー 遠出ができなくなった昨今。 家と近所だけの小さな世界で1日が終わる日々でも、何かを見て、感じ、写真を撮る。 Nakamura氏がいつか見たものたちが、淡々とそこにある。 15×15cm 14ページ 1,200円
-
人魚 白と黒の肖像 / No.26 yuka
¥600
ー代償がある、願いには。 美しい歌声に誘われ、森の奥深くで出会った”人魚”と”僕”の物語。 人魚の身にやがて異変が起こる。 願いには代償が必要だ。 彼女を決して泡にはさせない。 泡になってしまう人魚を救うにはー。 ポートレート作品がストーリー仕立てで展開されるzine。 A6縦 22ページ 600円
-
旅と山と、vol.4 / No.0 saorin
¥1,000
※旅と山と、シリーズはホチキスの仕様がアイレット綴じに変更になりました! 旅と山の写真案内サイト「畔の窓」のアナログ版小冊子「旅と山と、」です。 畔の窓→http://mado.fotori.net/ vol.4の特集は、ベトナムのサパ・バックハー日曜市と、天上の庭のような雲ノ平。 vol.3の猫に引き続き、vol.4は「世界は犬が歩いてる」ということで、サブテーマは犬。 ベトナムに限らず、世界で見かけた自由な犬たちを収録。 また、天国のように美しい雲ノ平の写真も掲載しています。 毎号のレギュラー連載、今日の山ごはん、手ぬぐいコレクション、心の山小屋など、旅と山好きな人にぜひ手に取ってもらいたいシリーズです。 B6サイズ、42p 「旅と山と、」その他の号はこちら https://honbafotori.thebase.in/categories/3114195
-
変わる日常 変わらない風景 / No.9 masa*
¥1,200
RICOH AUTOHALFというハーフフィルムカメラで撮られた淡々とした日常。 けれども、2020年に撮られたということに意味がある。 モノクロームで振り返る日常は、いつもと少し違う特別なフィルターがかかるのかもしれない。 表紙の、ネガフィルムをそのまま焼き付けたようなデザインも素敵な作品だ。 ---------------------------------------------------------- 一変してしまった日常の中 いつもと変わらない風景が 少しだけ安心させてくれた だれもいない学校 のびたままの植物 実際にはいつもと違う風景だけど いつも以上にキラキラして見えた Camera … RICOH AUTOHALF Film … Lomography Lady Grey B&W 400 B6サイズ縦、28ページ、1200円
-
わるいゆめ / No.4 moritani kazusuke
¥2,500
SOLD OUT
moritani氏の夜の写真は魅力的だ。 ページをめくっていると自分もmoritani氏の写真の世界の中に入り込み、出口のない迷路をさまよっているような気持ちになる。 けれども、夜の中にも光はある。悪い夢にも希望は見出せる。 闇の中の光は、とても妖しく、そして美しい。 ------------------------------- 今年も生まれ育った町を歩いた。ここにあまりいい思い出はない。 歩いていると今目の前に見えているものは現実感が伴わなくなって、まるで時間なんか意味を持たないように過去の記憶と現在が並行しているように感じてくる。 これが悪い夢なら程よいところで醒めてくれるのだが残念なことに夢じゃないので醒めることはない。 仕方がないのでこの感覚が抜けるところまで歩いていく。 A4版横、34ページ 2,500円
-
波照間 / No.36 松田 敏晴
¥1,650
日本最南端の島・波照間島に、昔私も訪れたことがある。 どこまでも広がるさとうきび畑、のんびり草を食む放し飼いの山羊たち、空を埋め尽くすほどの満天の星と天の川、そして、ふらふら自転車で巡っていた私を家に招き寄せて話をする気さくな島民たち。 この島を旅した記憶が、松田氏のモノクロ写真で一気によみがえった。 波照間島で暮らす人々の生き生きとした表情が印象的だ。 ---------------------------------------------- 「次、いつ来るの?」が島で出会った人たちとの合い言葉。 一度訪れると何度も足を運びたくなる魅力は何なのか。 きっかけは「行くなら最南端の島に行こう」 ただそれだけでした。 この島には昔からの神行事や 原始的な風景が残っています。 広大なさとうきび畑、美しい静かな海、 赤瓦屋根の集落。 それらの風景はどこか懐かしく、 時に少し寂しげな表情を見せます。 ― 次、いつ来るの? ---------------------------------------------- A4サイズ 104ページ 1,650円 -------------------------------
-
2020 / No.15 木全 裕美
¥1,000
2020年という年は、稀有な1年だったと思う。おそらく誰に質問しても、皆同じように答えるだろう。今年は本当にいつもと違う、特別な年だったと。 けれども、感染症の流行という時事はあれど、見ている景色は違うのだろうか。 木全氏のこの1冊を眺めていると、いつもと違う毎日のようでいて、日々過ごす時間と見ているものは何も変わらない。そう思えてくる。そして、そう思えることに勇気をもらえる。 変わることと変わらないこと。 世間に翻弄されず、1歩ずつ歩いていけばいい。そんな風に思える1冊だ。 ------------------------------- (木全氏コメントより抜粋) 世の中が突然STOPしてしまった様な出来事が起こりました。 --中略-- これからどうなるのだろう?? その答えは誰にもわかりません。 GWの休日、ふと外を見やると、ベランダの植物は春の花を咲かせていて、前日の雨つぶと共にまぶしく光っていました。 それから、、、 「ああ、季節は廻っているんだ。自然は止まることなく生きている。」 「何も変わっていないじゃないか。」 そう、強く感じたのでした。 それから、少しずつ撮れるときにシャッターを切っていきました。 私自身の2020年としてまとめたのが、このたびの作品です。 ファインダーを通して見ている私の景色も、変わることがなかったのだと安堵しながら。 15×15cm、34ページ 1000円
-
トコヤ・ロード / No.35 林 朋彦
¥1,400
「東海道中床屋ぞめき」に続く第2作。 前作の、東海道沿いの床屋という地域しばりはなくし、知人の紹介やSNSの情報、以前の旅先で見かけた店の再訪など、林氏が日本全国の床屋を自由に訪れ、写真におさめている。 時折登場する店主と、鉄道やガンダムなどと言った彼らの趣味が伺える店の内観が興味深い。 ---------------------------------------------- (林氏のコメントより抜粋) 知人やネットで得た情報を基に、青森から福岡までの、昭和を感じる床屋や、個性的な床屋を訪れたシリーズ。 カラー写真92点掲載 A5判 1400円
-
東海道中床屋ぞめき / No.35 林 朋彦
¥1,400
林氏が、東海道にある床屋を撮り歩きながらおさめた写真集。 ページをめくっていると、ああ、あるある~車で通った時こういう外観の床屋さん見かけた!と、既視感を覚える店ばかりだ。 理髪店なので鏡と椅子は必ずあるが、それ以外にもとにかくその店の飾り物がこれでもか!と押し寄せてくる。カレンダー、時計、人形、ポスター、賞状、ランプ、トロフィー、招き猫などなど。色鮮やかで雑多な印象なのだが、不思議と秩序がある。これは新しいジャンルのインテリアなのではないかとさえ思う。 写真に人はあまり登場しないが、そこで商売を営む店主と、客の気配が感じられる。 ---------------------------------------------- (林氏のコメントより抜粋) 東海道を日本橋から京都まで、昭和を感じる床屋さんを歩きながら探して撮影したシリーズです。 写真集「東海道中床屋ぞめき」には、2012年5月から2014年12月まで日本橋から京都までを探し歩いて撮った床屋さん86軒の中から、92枚の写真が収められています。一軒一軒が個性的な床屋さん、みなそれぞれ長い年月を経て店主の好みに染まって行った姿は、まるで王国のようでもあります。 --中略-- ご存知かとは思いますが、「ぞめき」とは「ヒヤカス」ことであり、文字通り東海道をブラブラしながら、気に入った床屋さんをヒヤカスようにして撮り歩いてきました。 まだ撮ってからそんなに経ってはいないのですが、3軒の店舗が取り壊されたようです。撮った写真を送ったら非常に喜んで頂き、改めて写真で記録することの必要性を感じています。 また、この写真集を見て、記録以上のモノを感じて頂ければ幸いです。 ---------------------------------------------- カラー写真92点掲載 A5判 1400円
-
Iceland / No.23 藤川 すみれ
¥1,300
どこまでも広がる荒涼とした大地。 温泉からたちこめる水蒸気。 ごつごつとした岩。へばりつくように咲く草花。 アイスランドと聞いて、浮かんでくるのはそんなイメージだ。 まぎれもなく地球上の国なのだが、どこか遠い惑星のような、そんな場所。 このzineの前半はまさしくアイスランドらしい写真が続くが、後半になると少し印象が変わる。 人々が暮らす家の屋根、窓から差し込む光、花びんに生けられた花。 最果ての異国の地にも、そこに暮らす人々がいる。 圧倒的な自然と、そこに暮らす人々。 どちらの気配も感じられる一冊だ。 ---------------------------------------------------------- 『白い、白い日』 私はアイスランドを旅しながら、昔読んだ詩集のタイトルを思い出していた。 冬、車窓からの景色は白い雪景色がどこまでもつづいていた。冬の日照時間はとても短い。夕暮れのような朝焼けを見て朝が夜に変わってしまった!と驚いた。 二度目に訪れた時は夏で、手袋がしたいほど寒かったけど至る所で見つける光の当たった花たちがとても綺麗だったのを覚えている。 私はこの国の壮大な滝や空や氷、温泉や霧や蒸気といった自然のものに完璧に圧倒され、すっぽりとのみこまれた。 人間もやがては自然に還っていくだろうことを考えながら、不思議と美しさや孤独を感じた。 A5版縦、48ページ 1300円
-
旅と山と、vol.1 / No.0 saorin
¥1,000
※旅と山と、シリーズはホチキスの仕様がアイレット綴じに変更になりました! 旅と山の写真案内サイト「畔の窓」のアナログ版小冊子「旅と山と、」です。 畔の窓→http://mado.fotori.net/ vol.1はロカ岬/リスボン/木曽駒ヶ岳特集。 「畔の窓」で紹介しているコラムや写真はもちろんのこと、ロカ岬につながるポルトガルのリスボンの街のあれこれや、今日の山ごはん、手ぬぐいコレクション、心の山小屋など、旅と山好きな人にぜひ手に取ってもらいたいシリーズです。 写真集としても、読み物としても楽しめます。 1枚1枚プリントして手で折ってから中綴じしています。中にトレーシングペーパーを挟むなど、手づくりならではの遊び心もプラスしています。 B6サイズ/38p 「旅と山と、」その他の号はこちら https://honbafotori.thebase.in/categories/3114195
-
きらめきの記憶 / No.8 金子美香
¥1,500
SOLD OUT
まず表紙の色鮮やかさに目を奪われた。 よさこいを踊る演者たちの衣装はどれも派手で艶やかだ。衣装だけでなく、ダイナミックな体の動きや、はじけんばかりの笑顔など、金子氏がシャッターを切ったどの写真からも、踊り手たちのエネルギッシュな様が伝わってくる。 「きらめきの記憶」というタイトルにふさわしく、表紙からも、本文のページからも、よさこいのエネルギーが目に迫ってくる作品だ。 ---------------------------------------------------------- よさこいが好きだ。 みんなの笑顔とエネルギッシュなパフォーマンスに元気を貰ってきた。 楽しかったよさこいの日々を思い出す。 いつかまた会える日を願って。 A5版縦、72ページ 1,500円
-
a fine line / No.0 saorin
¥2,200
写真企画室ホトリで2020年10月に開催のsaorinの個展「a fine line」に合わせて制作した写真集。 10年ほど前に一度私家版写真集としてまとめたテーマを改めて再編集し、写真展を開催した。(~2020/10/25まで開催中) 厚紙を貼りつけ、背の部分には銀の箔押しでタイトルをあしらっており、クールかつスタイリッシュな装丁に仕上げている。 過去に制作したバージョンの装丁はハードカバータイプで、表紙に採用された写真も今回制作した版とは異なる。 作品紹介の代わりに、saorin写真展「a fine line」のステートメント文を一部抜粋して掲載する。 ------------------------------------- a fine line(=紙一重)は10年ほど前に一度、私家版写真集としてまとめたテーマだ。 その頃、私がカメラを向けてついシャッターを切ってしまう被写体は、 自分でもなぜこんなものに惹かれるのかわからないものばかりだった。 見方を変えればおもしろいとも言えるが、一般的にはやや気持ち悪いとされるもの、 おそらく不快に思われるであろうものも少なからずあった。 それでも、私が撮ったそれらは、自分の中では実は美しいのかもしれない、 そもそも美しさと汚さは同じようなものなのかもしれない。そう思っていた。 ---- 一部省略 ---- この世界はなんと理不尽で不条理なのだろう。 そして同時に、なんと不可解で美しいのだろう。 何か目に見えない力が、矛盾をはらむ要素をあえてこの世に放っているようだ。 私はこの世の、不条理な醜さと同時に、そこはかとない美しさをとらえたくて、 写真を撮っているのかもしれない。 これから私は一体何年生きるのか。 もしかしたら1年後命を落とすかもしれないし、10年かもしれないし、 人生100年時代を文字通り全うするかもしれない。 その時まで写真を撮り続けるかどうかはわからないが、 少なくとも、美しいものも汚いものも、すばらしいものもみにくいものも全て、 抱き合わせながら生きていくのだろうと思う。 A5縦型 72ページ 2,200円
-
Домой -シベリア鉄道- / No.27 小池貴之 (Kino Koike)
¥1,500
ルーニィ247ファインアーツで2020年9月に開催された同氏の個展「Домой -シベリア鉄道-」に合わせて制作・販売されたzine。 「街と体温 – 香港」と同じく、ライカのレンズにモノクロフィルムを詰めて撮影されたこれらの写真たち。個展では、丁寧に手焼きされたプリントで、額に美しくおさめられていた。 zineなのだから、プリントはもちろん外部印刷なのだろうが、それにしても黒というか、墨の濃淡が美しい。表紙の、シベリア鉄道のどこかの駅で薄暗い時間帯に撮られた写真なのだろう、ぼんやりとした線路にたちこめる霧と、そこに浮かび上がる駅員らしいシルエット。この絶妙な墨色のさじ加減は、小池氏の写真のなせるわざなのだと思う。 百聞は一見に如かず。あとは実際に手に取って見てもらうとして、冒頭のステートメントの文章を掲載しておく。 ------------------------------------- 「ダモイ」。旅の途中、私は何度もこの言葉を聞き、少しドキッとしていた。 シベリアに抑留された人たちが聞いたという言葉だったからだ。 日本とロシアの間には戦争の記憶や領土問題など今もお互いの関係に隔たりがある。 北海道で育った私はそれを強く感じていた。 未知の国ロシアを知りたい。その好奇心からシベリア鉄道で旅をすることにした。 ウラジオストク~モスクワまでの約9000km の区間を何度も乗り降りし、車内の人たちと話し、人や景色を撮った。出稼ぎ労働者、エンジニア、軍人、商人、旅人、様々な人と仕事や文化、政治、歴史などをグーグル翻訳越しに語り合った。彼らは饒舌で気さくで自由に話す。ロシアは閉鎖的という私の想像はひと昔前のステレオタイプだったのだろう。 「Домой(ダモイ)」。これは故郷や家庭、帰るということを意味する言葉だ。親しくなると彼らはその言葉を多用し、自慢の風景や家族や友人の写真を嬉しそうに見せてくる。君のことも知りたいと根掘り葉ほり聞いてくるのも微笑ましい。鉱山の労働を終えて実家へ帰る途中の男は言った。 「この鉄道があるから故郷へ帰ることができる。家族に会うことができる。君にも会えた。故郷を見せたい。」 遠くから来た私を分け隔てなく受け入れ知ろうとする彼らの姿に感動した。 気がつくと、私と彼らの間にある汚れた窓は取り払われていた。 A4変型 21×21cm 32ページ 1,500円
-
イコンタとコニカ / No.33 MINEO YOSHIDA
¥1,500
SOLD OUT
YOSHIDA氏の祖父の遺品であるイコンタというカメラと、父の遺品であるコニカのフィルムで撮った写真を一冊にまとめたzine。 これはきっと、YOSHIDA氏は自分のために作った一冊なのだろうと思う。 最後のページに登場する、お父上が撮られたお手本のモノクロ写真が、なんとも切ない。 ------------------------------- 祖父の遺品のイコンタというカメラ。 戦時中、戦場で記録写真を撮っていたらしいけど、見せてもらったことはない。 祖父から戦争の話を聞いたことは一度もなかった。僕だけではなく、誰にも一度も話さなかったらしい。 そんな祖父が亡くなる前日、モルヒネの副作用からか、祖父は戦争の話ばかりしていた。みんな涙が止まらなかった。 そんな祖父の残したイコンタというカメラ。 父はこのカメラで祖父の墓を撮っていた。 父がこのカメラで撮った写真はおそらくこの1枚だけ。 その後、僕は一度だけこのカメラを借りて娘のピアノの発表会の写真を撮った。 父が使い方を教えてくれた。その時撮った写真の中で成功したのは父がお手本で撮った1枚だけ。 その他はすべて失敗。ピンボケと露出ミスばかり。 久々に父が凄いと思った。 そしてそのイコンタというカメラ。 先日、父の遺品となって僕の手元にやってきた。 イコンタと一緒に置いてあった、Konicaの160PSというフィルム。 2004年で期限切れのカラーフィルムだ。 父が祖父の墓の写真を撮った時に一緒に買ったフィルムだろう。 僕はこのフィルムをイコンタに詰めた。 そして、父が暮らした家の近所を軸に、僕の友達と母と兄を撮ってみた。 フィルム一本で1枚の超長い写真。 ------------------------------- 20×20cm 21ページ 1,500円
-
TOKYO COLOR CHROME / No.33 MINEO YOSHIDA
¥1,500
モノクロームではなく、カラークローム。タイトルの通り、随所に色を感じる作品だ。ISSUE001の撮影地は渋谷、銀座、池袋。映り込みと多重露光を駆使し、YOSHIDA氏の独特のカラー・アイで東京の街がカラフルに削り取られている。記憶の波が押し寄せてくるような、力強さを持ったzine。 ISSUE001ということは、続編が出るのだろうか。期待したい。 18×24cm 72ページ 1,500円
-
COEXIST / No.33 MINEO YOSHIDA
¥1,500
COEXIST = 共に存在するということ 粒状感という言葉がよくモノクロ写真で取り沙汰されるが、YOSHIDA氏の作品はまさにそれだ。冒頭はサングラスに映り込む街並みの写真から始まり、コントラストの高い、強烈なモノクロの写真に圧倒される。 最初は海、雪、草原や木などといった自然界の被写体が続き、ページをめくっていくと鉄塔や電信柱、ビル、駅、居酒屋、看板などといった人間社会の象徴的な被写体とが次々とあらわれる。これらは一見アンバランスなようでいて、タイトルをもう一度見ると、実は釣り合いが取れているということに納得する。この両者は言い換えれば相反する存在だが、それでもこの地球上に共に存在しているものたちだということだ。自然と人工、もしかしたらカラー写真だと違和感があるページ組かもしれないが、YOSHIDA氏の力強いモノクロ写真がそれらをうまくまとめ上げている。 19.5×13.5cm 80ページ 1,500円
-
夢を見る島 / No.31 Youko Sakurai
¥2,000
冒頭のこの文章がなければ、表紙から受ける印象は全く違っていた。 「船で遭難し流れ着いた島からはなぜか出られず、 その謎を解きながら冒険していく昔遊んだゲームのタイトル。 旅行に来た人を迎えたり見送ったり、 そのゲームの島に住む住民と簡単には出られないこの島に住む自分の生活を重ねた。」 この文章がもし最初に差し込まれていなければ、どこかの南の島で過ごしたひと夏の思い出や、作者の日常が気負いなく綴られた一冊だ。けれども、この一文の効果は絶大だ。この島からは出られない住民たちと自分たちの生活を重ねる。青い海と空。鮮やかな南国の花々、果物。さんさんと降り注ぐ太陽の光。それら島の記憶と隣り合わせとなる、散らばるおもちゃ、片付かない洗濯物。日々の生活からは簡単には出られないという心理的圧迫感という名のスパイスで、別々の場所で過ごす時間がうまく混ぜ合わせて料理されている。 最後のページにはさまれたしおりにはこう綴られている。 ------------------------------- そこが現実である事を忘れさせるような場所 美しい海に雄大な自然、夢のような場所にも住人がいて生活をしている。見慣れない景色は新鮮に見えるが、どこに住んでいても楽しみはあるし悩みは尽きないし良い事も悪い事も起きる。それはあなたのいる場所とはさほど変わりはない。側から見れば羨ましい場所、あなたのいるそこも誰かにとって羨ましい場所かもしれない。よそから見える日々は素敵で羨ましい。 A5サイズ 22ページ 2,000円
-
隣のメロンは甘い / No.31 Youko Sakurai
¥1,000
斜め上を行ったタイトルと、表紙のメロンを真っ二つに割ったデザインにまずやられる。とてもセンスがある人なのだろう。これはまさしく、zineらしいzineだと思う。 ------------------------------- 透明で綺麗な海の写真をSNSで見た友達に「勝ち組だね」と言われた。彼女の言う勝ち組の台所では週に1回しか来ない宅急便で届けられたメロンが2日で腐り、生臭い異臭を放った。 いつだって隣の芝は青い。 ------------------------------- この冒頭に添えられているステートメント、というかコメント、というか。これもよい。読んだあとにどういう感情が浮かんだのか、どう処理すればよいかわからない、何とも言えない感じがよい。 zineのページをめくると、おそらくフィルムカメラで撮られた夏の思い出なのだろうが、昔懐かしいデジタルの日付が入っているのと、時折差し込まれるシュールなシーンが合わさり、よりこの1冊の魅力が際立っている。 A5サイズ 22ページ 1,000円
-
vampire / No.26 yuka
¥600
夕暮れの空が青に色を変える頃 孤独な青年がいた 血を欲する定めに抗い 今宵もヒトとしてのセカイに憧れを抱く 彼は人を愛しすぎたのだ ------------------------------------- さまよっている。 自らの姿を隠しながら、それでも人を恋しく思いながら、彼は人の世界をさまよっている。 一人の青年が人の世界に憧れ、人を求め、人と出逢う。そして・・・ ポートレート作品がストーリー仕立てで展開されるzine。 A6縦 48ページ 600円
-
panoramountain / No.0 saorin
¥2,000
SOLD OUT
山に登って絶景を目にすると、その大展望をパノラマ写真で撮ることが多々あるのですが、その細長い形状で何とも扱いづらく、SNSでも日の目を見ることがほぼありません。 そんなかわいそうな(笑)パノラマ写真たちにスポットライトを当ててみよう!と思いついて作ったのがこの新作「panoramountain」です。私が今まで登った山々の絶景パノラマ写真を30点以上おさめています。 山道具ではおなじみのカラビナを綴じ具として使っているのもポイント。 A4変型サイズ・フルカラー 65ページ 2,000円
-
Fenêtre ronde romantique* / No.9 masa*
¥900
“Fenêtre ronde romantique”は、フランス語で“ロマンチックな丸窓”。 「La mémoire」は通常のスクエアフォーマットフィルムで撮られた写真たちだったが、この作品には丸窓のフォーマットフィルムで撮られた写真がおさめられている。 フォーマットが丸くなっただけで、鍵穴の向こう側の世界を見ているような、不思議な気持ちにさせられる。いつもの風景が “Fenêtre ronde”の魔法にかかっているようだ。 素敵な丸窓を そっと覗くと 見えてくる景色は ロマンチック 世界で一枚だけの 特別な写真たち 13×18.5cm縦、28ページ、900円
-
La mémoire / No.9 masa*
¥1,200
SOLD OUT
“La mémoire”は、フランス語で“記憶”。 最後のページに記されている通り、古く美しいものたちが、ポラロイドフィルムによって1枚1枚その姿を焼き付けられている。 ポラロイドは、シャッターを切ってからすぐプリントが飛び出す。しかし、すぐに像があらわれるわけではない。最初あいまいだった輪郭が徐々に明確になっていき、さっきシャッターを切った被写体が浮かび上がる。けれども、普通のカメラで撮っても同じようにはならない。不思議と、ポラロイドで撮られた写真は、ポラロイドでしかありえないのだ。 わら半紙のような紙の質感、時おりはさみこまれる薄紙、そこに押された愛らしいスタンプ。 ポラロイドにおさめられた古く美しいものたちが、masa*氏の手によってさらに美しいzineに昇華されている。 ---------------------------------------------------------- シャッターを押した瞬間から 浮かび上がるシルエット 時間をかけて ゆっくりと変化し続ける ポラロイドフィルムに 古いものたちの 記憶をとじこめて 13.5×18.5cm縦、40ページ、1,200円
-
蓮に願う / No.8 金子美香
¥1,100
SOLD OUT
蓮の花は、ほかのどんな花よりも宗教的だ。 古来インドでは、蓮の花は聖なる花とされ、地母神信仰と結びつき、神聖なるものの象徴とされていた。また死後に極楽浄土に往生し、同じ蓮花の上に生まれ変わって身を託すという思想があり、「一蓮托生」という言葉の語源になっている。 寺で蓮を見つめることは、自分の人生を見つめること。 もっとも神に近い存在の花、蓮が何か語りかけてくるかもしれない。 ---------------------------------------------------------- 苦境や困難は 乗り越えるためにあると 仏教の教え 蓮の花を見る時間は 自分の人生を見つめているのかもしれない A5版縦、48ページ 1,100円