森を抱く / No.1 早苗 久美子

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「森」と「林」、この二つの言葉の違いをご存じだろうか。
樹木が生い茂り、生き物たちがそこに暮らすという条件としては同じだが、その誕生の仕方に決定的な違いがある。
前者は「自然にできた樹木の密集地」であるのに対して、後者は「人工的に作られた樹木の密集地」である。つまり、森は自然に生まれたもの、林は人工的に作られたものという解釈となる。(農林水産省の定義より)

その森に憧れ、森を求め、森になりたいとさえ思うほどの、圧倒的な森への敬畏の念。
人の手が届かない、自然が作り出したからこそ生まれた森が内包する、生と死への惧れと尊びが、そこに映し出された被写体に透過されている。

森に抱かれるのではなく、森を抱く。
早苗氏の、生きてゆきたいという意思のあらわれのように思えた。

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「森を抱く」
強い雨や焼けつくような日射しに豊かな葉を差し掛け、
大地を肥やし、水を湛え、生命を育み終末を受け入れる。
いつの頃からか、私は森に憧れ、森を求め、
森になりたいとさえ思うようになった。
それは“生命を内包する何か”への憧れでもあった。
同世代の友人の多くが母になっていく中、
私自身はどこか取り残されたような気持ちを感じるようになっていた。
継がれてゆく命のことを想う日々だった。

同じ頃、病を患い闘病する友人も相次いだ。
当たり前だけれど、誰も自分の命を諦めたりなどしない。
そこには、今を生きる命がある。

そんな中で、私は、
自分が命に対して何の役割を担っているのかわからず、
後ろめたさを感じていた。
命を生むこと、育むこと、そしていつか失われることさえも。

豊かな森を望みながら、
見知らぬ森を抱いて、私は生きる。
16×21.2cm縦 20ページ 2,200円